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朝比奈あすか「君たちは今が世界(すべて)」があの時の私の心をほぐす。レビュー。

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朝比奈あすかさんの「君たちは今が世界(すべて)」を読了しましたので、備忘録。

あらすじ

担任の先生を病休に追い込み、何度も担任が変わる6年生のクラスのお話。

友達と盛り上がる快感といじられる事のギャップに悩む男の子。

荒れたクラスを毎日やりすごしながら、私立中学を目指す優等生。

コミュニケーションが苦手で言葉より手が先に出てしまう『問題児』。

クラスの女王の親友は実は家庭内がぐちゃぐちゃ。

いろんな立場(立場ってなに?)の子が抱える、いろんな家庭環境。友達。学校外の顔。

荒れたクラスの中の5人のエピソードがショートストーリーのように書かれている。

ここがお気に入り

よくある学校ドラマのように、「ある日突然みんなが救われる」みたいなストーリーはまるでない所が、「そうだ現実はこうなんだ」とすごく思わされる作品。

この誰かが世界を劇的に変えてくれるわけじゃない感じ、ある日突然何かが変わるってわけじゃない感じが、すっきりしないんだけど、でも実際現実はそうで。

だけどだれかが、そばにいたいと思ってくれているのも、きっと現実なんだと、思いたいなあなんて。

あと、第三章に出てくるコミュニケーションが苦手な問題児、武市の話。

言葉よりも涙が先に出て、気持ちが熱い塊になって喉の奥に詰まるあの感じ。

10歳そこらの私に起こってた事、この本みたいに表現してくれる人が近くにいたらどんなによかったかなあ。私、こういう風に言ってほしかったんだなあ。

なんて思いました。

こんな人におすすめ

身の周りに「子ども」がいる人、いま「子ども」の人、「子ども」に関わる日常を過ごしている人。

私たちも「子ども」だったのに、なんで「子どもも子どもで苦労している」という事を忘れちゃうんだろうなあ、と考えさせられます。

おわり。

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